IQ1でもわかる決算周り入門
概要
この記事は IQが1 Advent Calendar 2017 14日目の記事です。
東工大の関係者じゃないです。一応情報系でした。春までデータマイニングの研究っぽいことをしてました。
今回はIQが1な方はもちろんのこと、エンジニアにはあまり馴染みがない決算書周りの基本についてざっと書こうかと思います。
といっても私もド素人なので、そこまで深くつっこまないでください。
貸借対照表(balance sheet, B/S)とは
決算書を開くと必ずあるものシリーズ第一弾です。貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)といいます。
ある会社の資産とか負債を一覧に表したものです。要するに財務体質の開示書って感じです。
流動資産 | 流動負債 |
固定資産 | 固定負債 |
(負債合計) | |
純資産 | |
(資産合計) | (負債・資本合計) |
右側(貸方)に「流動負債」、「固定負債」、「純資産」とあり、左側(借方)に「流動資産」、「固定資産」とあります。
流動資産と固定資産はなんとなく資産っぽいことがわかります。 そうです。その会社が持ってる資産です。
そして流動負債と固定負債は負債っぽいことがわかります。じゃあ純資産とはなんでしょう。
その答えは、貸借対照表、もっというと複式簿記の性質にあります。それは借方と貸方は必ずバランスする、つまり合計値が同じとなることです。
では、資産 VS 負債 ならどうでしょうか。負債が資産と同額なことはあり得るのでしょうか?そうではありませんね。そう、その差額が純資産(自己資本)となります。
この自己資本の存在は今後、結構重要だったりするかもなので押さえておきましょう。
では各勘定科目について軽く説明します。
資産
流動資産
流動資産とは、1年以内に現金化される資産のことを指します。具体的には預金口座に入れてる現金だとか、売掛金(つけ払いにしてあげている金額)とかを指します。
会計の世界にはワンイヤールールというものがありまして、それが先程の1年以内というところを指します。てかまんまっすね名前が。
固定資産
長期間にわたって持ってたりする資産を指します。具体的には土地、建物、特許権等です。
土地や建物みたいに具体的に見える物を「有形固定資産」、特許権、商標権みたいな具体的には見えない物を「無形固定資産」といいます。
繰延資産と呼ばれるものもありますが、滅多に見ないので割愛します。
負債
流動負債
1年以内に現金化される費用(または負担するもの)を流動負債と言います。まぁ1年を境目にするってとこで流動資産と同様にお察しです。
具体的には、半年で返す予定の銀行からの借入みたいなものがこれにあたります。また買掛金(つけ払いにしてもらっている)もこれにあたります。
固定負債
長期間に渡って存在する負債を指します。具体的には5年で返済する借入だとか、社債とかです。
純資産については先程触れたので割愛します。
損益計算書(profit and loss statement, PL)とは
売上高から各種利益が書かれているものであり、いわばある会社の経営状態の開示書みたいなものです。
収益から費用を差し引いたら利益というのはなんとなくわかるかと思います。例えば、あるメーカーにおいて、売上高から原価を引けばまあなんか利益は出ますよね。
というわけで簡単に損益計算書の並びを書き連ねます。
売上高
(-) 売上原価
売上総利益
(-) 販売費及び一般管理費
営業利益
(+) 営業外収益
(-) 営業外費用
経常利益
(+) 特別利益
(-) 特別損失
税引前当期純利益
(-) 法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
当期純利益
売上高
単純に売上高です。営業した結果得た収益です。それだけです。
売上総利益
粗利益とも言います。売上高から売上原価(製造費用とか仕入費用)を引いたものです。大雑把に算出した粗い利益だから粗利益と勝手に認識していました。
営業利益
売上総利益から販売費及び一般管理費(人件費とか家賃とか)を引いたものを営業利益と言います。本当の意味の営業活動で得た利益を指します。
経常利益
営業外収益や営業外費用(株の売却損益みたいな)といった営業とは関係のない、そのときにしか発生しないようなものを差し引いた利益を経常利益と言います。
つまり、余計なものを削った、普通に営業を行った結果の利益、毎年経常的に発生する利益という感じです。
企業の強さを測るスカウター的な役割があります。
当期純利益
税金とか引いたものです。完全に最後の残った利益って感じです。
参考がてらにシャープの平成28年3月決算(連結)は、
売上高 2,461,589円
営業利益 -161,967円
経常利益 -192,460円
です。
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2016/1/1603_4q_tanshin.pdf
企業の決算に対する評価指標(一部)
自己資本比率
自己資本がどれだけバランスシートの列内で占めているかを表します。
つまり 自己資本 / (自己資本+負債=資産) で求められる割合です。
こいつが高いとすごーい君は良い財務体質のフレンズなんだねってなります。
なぜかというと、返す必要のない資本がそれだけ多いからです(純資産の算出方法参照)。
ちなみに、日本のメガバンクはみんな20%切ってます。意外かと思いますがそうなんですよね。あとどうでもいいですけど銀行のB/Sでは、預金は負債だったりします。
流動比率
流動資産 / 流動負債 で算出されます。1年以内の資産>1年以内の負債 ならまぁ大丈夫っすよねって話です。150%くらいあると安全だったりします。
まとめ
最後の方でやる気が失速して駆け足になりましたが、簡単に決算の一部を紹介しました。
ちょっと知識を得ておくと、会社のIR情報とか読めたりするので新たな楽しみが増えたりします。
注意点
決算書は、決算書の時点でのデータです。時系列データに対する研究をしていた自分からするとそこはすごく違和感の塊でした。
その違和感は結構大切だったりするみたいなのでその目線は持っておきましょう。
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